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マンション投資第28の鉄人

「安定・堅実な投資を始めたい、でも出来ないあなたへ」 (2)
                  
                                                                        
                             神奈川県在住 結喜たろう (一級建築士)
さて、話しは10年ほど昔に遡ります。
当時は、とある有名な建築事務所に一時的に勤める機会を得て、徹夜や終電帰りと
繰り返している日々でした。普通のサラリーマンたちも大変だと思いますが、
建築の設計事務所も激務です。薄給で残業200時間(しかも手当てなし)なんて当たり前で、
土日出勤、泊まりも日常茶飯事でした。
そこの事務所の給料は、社会保険無し、国公立大学院卒の有資格者でも手取り30万円。
3年毎に契約更新制で、昇給も正社員登用も無いところです。
ここが特にヒドイ会社というよりも業界全体がこんな感じです。
ずっと後になって「派遣」、「格差」、「ワーキングプア」という言葉をマスコミが流行らせ
ましたが、建築設計業の立場から言わせると「なにを今さら・・・(笑)」って感じです。
それでも独立開業の箔付けや技術を学ぶためということでモチベーションを保って
みんな頑張っていました。
でも、ときどき打ち合わせのためにフェラーリに乗ってやって来る会社オーナーの建築家、
そして彼の所有する都心の一等地に建つ高級賃貸マンションなどを毎日眺めている内に、
「なんか、変だなぁ・・・」と流石に疑問を感じ始めていました。
「搾取されているだけではないか?」と勘ぐって問いただしたこともあるのですが、
事務所の全体収益は人件費などでほぼトントンとのことで仕方が無いとのことでした。
もともと日本の場合、建築の設計報酬は極端に少ないのです。海外の場合、設計料は
デザインへの知性に対する報酬ですが、日本では図面を作成する肉体労働への報酬に
過ぎません。だから仕方ないのかも知れません。
「それにしては、経営者はよくあんな優雅な生活できるなぁ?」と思っていましたが、
事務所の幹部たちから聞けば、その経営者のセレブリッチな生活は、都心の超一等地に
所有している幾つかの高級マンションや、事務所ビルなどからの賃貸収入だとのことです。
それらの不動産は経営者が親からの相続で得たもので、事務所自体も自社ビルで
一族経営でしたから、世襲制のような形で代表が決まっていく仕組みのようです。
因みに、この設計事務所は歴史もあり、施主は常に一流の企業や個人たちです。
絶えず芸能人や著名な実業家たちが訪れていました。
業界では結構なブランドがありましたので、経営それ自体は創始者の一族が、
そのブランド保持のため趣味で続けているような感じです。部外者のスタッフがいくら
頑張ったところで事務所のトップになることは無さそうです。
ただ、もともと建築スクールなどとも呼ばれるタイプの事務所でしたので、例え労働条件が
悪くても、最終的には独立開業するために、そこで学んで退社するのが自然の流れ、という
雰囲気もありました。そういう意味では非常に良い建築事務所です。
建築家として独立開業。
夢のある話です。高度成長期からバブル時代であれば、ガンガン仕事を取って、
頭角を現すなどという夢も描けたのでしょう。しかし、バブル崩壊後の失われた10年を経て
21世紀の日本は、もはや行政も箱物建築を作る流れではありません。
大型建築といえば既に余っているオフィス、マンションを更に増やすために
無理矢理企画する大手不動産会社・・・それに対して血ナマコになって受注営業をかける
大手ゼネコンや大手設計事務所。まさに巨人たちによる縮小するパイの奪い合いです。
個人住宅にしても、安定した収益を求めようとしたら、ハウスメーカーや建売を量産している
地元不動産屋の下請けぐらいしか残されていません。「果たしてこの先やっていけるの
だろうか?」と不安の種は尽きなかったですね。
それでも工夫次第では、なんとか生き残れるかとも思いましたが、人並みの生活をするために
人の何十倍もの努力をするというのは、「この職能自体が何かオカシイのではないか?」と
漠然とした不満もありました。
好きだから飛び込んだ世界ですが、建築の設計は、こういう不満を感じ始めたら続けることの
出来ない世界でもあります。
そんな矢先のある日、打ち合わせの帰りにふっと本屋で立ち読みしたのが、
当時ベストセラーとなっていた『金持ち父さん、貧乏父さん』という本です。
その中に書かれていた「ラットレースから抜け出せない貧乏父さん」の話しを読んだとき
「これ・・・自分じゃないの?」と、しばらく口をポカーンと開けて唖然としちゃいました。
頭をガツンと叩かれたようなショックです。
当時のメモ長にはこんなことが書かれていました。
つづく・・・・・・
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