建築条件付き土地 【けんちくじょうけんつきとち】 |
建て売りといえば、土地とそこに立つ住宅がセットで販売されるものだが、建築条件付き土地の場合は、売り建てともいうように、土地を売るに当たって、一定期間内に特定の建設会社(土地の売り主とその子会社、および販売代理人となる宅建取引業を併営する建設業者)と建築請負契約を結ぶことを条件にしている。指定期間内に建築請負契約が締結されない場合は、契約は白紙解除となり、預かり金などは全額返還される。 |
建築審査会 【けんちくしんさかい】 |
建築主事を置いている市町村と都道府県にのみ設置される、5人または7人の委員で構成される組織。建築審査会は、特定行政庁が建築基準法に関わる許可を与える場合に、特定行政庁に同意を与える等の権限を持っている。 |
建築物 【けんちくぶつ】 |
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法2条1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1)屋根と柱または壁を有するもの
2)上記に付属する門や塀
3)以上のものに設けられる建築設備
上記1)は「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。 |
建築面積 【けんちくめんせき】 |
いわゆる「建坪(たてつぼ)」のこと。
建築物の柱・壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を指している。
ただし1メートル以上突き出たひさしや軒等がある場合には、そのひさし、軒等の先端から1メートル後退した線までの部分のみを建築面積に算入することとなっている。 |
減歩 【げんぷ】 |
土地区画整理事業では、道路を拡充し、公園を整備することによって、良好な街並が造られる。こうした道路や公園の整備改善のためには、新しい用地が必要である。
この新しい用地を生み出すための手法が「減歩(げんぷ)」である。
具体的には、土地区画整理を行なう区域における各宅地の所有者から、一定の割合で宅地を供出してもらい(これを減歩という)、この供出された土地を道路用地や公園用地とするのである。
その結果、各宅地の面積は削減されるが、良好な街並が造られたことによって、宅地の価値は増大することとなる。 |
建ぺい率 【けんぺいりつ】 |
建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいう。建築物の敷地内に一定割合以上の空地を確保することにより、建築物の日照、通風、防火、避難等を確保するため、都市計画区域内においては、用途地域の種別、建築物の構造等により、その最高限度が、下の表のように制限されている(建基法53条)。
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建ぺい率 【けんぺいりつ】 |
建築面積を敷地面積で割った値のこと。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。
建築する建物の建ぺい率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。 |
顕名 【けんめい】 |
代理人が「本人のために代理行為を行なう」ことを示すことを顕名という。例えば契約を締結する場合に「Aの代理人であるB」として署名することが顕名に該当する。顕名とは「名をあらわす」という意味である。
代理の本質については顕名説と代理権説が対立しているが、通説である代理権説に立つ時は、顕名は代理の本質的要素ではないので、仮に顕名がなくとも代理権は有効に成立すると解釈されている(詳しくは他人効へ)。顕名については次のようないくつかの問題がある。
1)顕名の本質について
民法第100条が顕名を必要としている根拠は、取引の相手方に本人が誰であるかを明示することにより、取引の安全を確保しようとする趣旨である。(代理権説の立場から)
2)顕名がまったくない場合について
例えばAの代理人であるBが、相手方Cとの間で売買契約を締結するとき、うっかりして契約書に「B」とだけ署名した場合には、原則としてその契約はBが自分のために行なったものとみなされる(民法第100条本文)。
ただし前後の事情から見て、BがAの代理人であることが明らかである場合には、たとえ契約書に「B」とだけ署名したとしても、BはAの代理人として有効に顕名をしたものとされる(民法第100条但書)。これは相手方Cの取引安全を害する可能性がないからである。
3)本人の名前を直接表示した場合について
例えばAの代理人であるBが、相手方Cとの間で売買契約を締結するとき、うっかりして契約書に「A」とだけ署名した場合については、有効な顕名がないことになる。
この場合には民法に明文がないので問題であるが、判例は、前後の事情から代理人であることが明らかであるならば有効な代理行為として成立するとしている。
相手方Cにとっては、仮に代理人Bが本人Aであると誤信していた(人違いをしていた)としても、取引相手がAであるならば契約を行なってよいとの判断のもとに契約したのであるから、実質上の支障はない。よってCの取引安全の面からも支障がないこととなる。 |
顕名説 【けんめいせつ】 |
代理の本質を説明するための学説のひとつ。
代理の本質は、「他人の行為の効果が本人に帰属する」ということであり、これを「他人効」という(詳しくは他人効へ)。
顕名説とは、この他人効が発生する理論的根拠を「顕名」に求めるという学説である。
すなわち、顕名説では、顕名という意思表示(=代理人が「本人のために代理行為を行なう」ことを外部に示すこと)により、はじめて代理が成立すると考える。
そのため顕名説の立場では、有効な顕名をしないままに代理人が行動したときには、代理は成立せず、その代理人の行為は代理人自身に帰属することになると考える。
しかしこの顕名説は通説ではなく、代理権説が通説である。
(詳しくは顕名へ)
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権利落ち 【けんりおち】 |
配当などを受け取る権利がなくなること。「配当落ち」ともいう。
株主は会社に対して、配当請求権などの権利を行使することができるが、この株主の権利を行使するためには、会社側が設定する一定の期日において株主であることが必要とされている。この一定の期日は「権利確定日」と呼ばれている。(通常、権利確定日は決算日と同じ日である)
ただし、上場株式・上場されている不動産投資信託の場合には、配当や分配金を受け取るためには、権利確定日から3営業日をはさんで、それより前に購入しておくことが必要とされる。これは証券取引所を通じて売買する都合上、代金の決済等に3営業日が必要とされるためである。
具体例で説明しよう。ある上場不動産投資信託において、投資法人がその決算日である「2004年6月30日(水曜日)」を権利確定日に指定したとする。この場合、次のような日程となる。
6月24日(木曜日)権利付き最終日
6月25日(金曜日)権利落ち日
6月26日(土曜日)休業日
6月27日(日曜日)休業日
6月28日(月曜日)
6月29日(火曜日)
6月30日(水曜日)権利確定日(=決算日)
このように、6月25日(金曜日)、6月28日(月曜日)、6月29日(火曜日)という3営業日が代金決済等のために必要な期間である。従って、分配金を受け取る権利を取得するには「2004年6月24日(木曜日)午後3時」までに証券取引所で投資口の売買を成立させておく必要があるのである。
このとき、分配金の権利を取得できる最後の日(6月24日)は「権利付き最終日」、その反対に分配金の権利をもはや取得できない最初の日(6月25日)は「権利落ち日」と呼ばれている。
このようにわずか1日の違いで、分配金の有無が分かれるため、「権利付き最終日」と「権利落ち日」では、投資口の取引価格に差が生じることが多い。
例えば、上記の例で6月24日の投資口の取引価格が55万円、投資家が期待する分配金(=1会計期間である6ヵ月分の分配金)が投資口1口当たり1万円であったとしよう。この場合、翌日の6月25日には、投資口の取引価格が54万円になるという可能性が考えられる。
ただし、実際には投資口の取引価格は、その投資法人の将来の業績を反映するものであるので、決算日に業績の上方修正の公表が期待される場合には、権利落ち日になっても、取引価格があまり下がらない場合もありうる。
例えば上記の例で、その投資法人が次のように予想分配金を公表するものと仮定しよう。
1)2004年2月下旬
前期(2003年7月〜12月)の決算(確定値)の発表が行なわれた。それと同時に、今期(2004年1月〜6月)の予想分配金を公表した。このとき予想分配金は「1万円」とされていた。
2)2004年6月30日(証券市場終了時間より後)
今期(2004年1月〜6月)の予想分配金を上方に修正して公表した。修正後の予想分配金は「1万7,000円」とされた(すなわち7,000円の上方修正)。
仮にこのように予想分配金が6月30日に大きく上方修正されるとすると、6月25日の権利落ち日においては、投資家の多くがこの上方修正を期待しているならば、投資口の取引価格はさほど下がらない可能性がある。
もちろん6月25日の時点では、6月30日の上方修正は、投資家は知らないのであるが、実際には投資口の取引価格は将来を織り込んで形成されるため、このような現象が起きる場合がありうる。 |